絵画

星の光/終えて逝く最後の日/小鳥しか知らない景色

あの日友達だった小鳥は、彼女にしかみえない景色があって、僕にはそれを空想することでしか理解することができませんでした。

低空飛行だった彼女は少し先の景色を見て「白い線が見える」と喜んでいたけれど、僕が見た頃には何も見えなくなっていたのです。春に向かって生き急ぐ冬みたいな景色だけが重く空にのしかかっているだけでした。

僕の景色はいつまでも空寂のままでした。最初から何もなかったみたいに最後まで何もなかったように思えてしまうのです。

「とりあえず絵を描こう、絵を描けば早く死ねる」

きっといたずらに興じることもせず、彼女自身も言葉にしたいとは思っていなかったことでしょう。たった1つの飛行機雲は幸福の意味も知らない彼女にとってあまりに綺麗すぎたのだと僕は思うのです。

星の光/終えて逝く最後の日/小鳥しか知らない景色

F3号 油彩

2019 棚村華恵子

 

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