エッセイ

イケメンが集う町

女性の胎内のようなトンネルを抜けた先にイケメンが集う街がある。僕の顔はかっこよすぎるため、小さいころからブサイクたちに仲間外れにされていた。周りのほとんどがブサイクなので、多数決ではいつもブサイクな人が勝ってしまうし、おまけに虐められてしまうのだ。

「やーい!やーい!イケメン!お前実は整形してんじゃねーの!」

ブサイク達は根も葉も無い噂を勝手に流す。ブサイク達は性格もブサイクなのだ。けれど友達が1人もいないというのは寂しい。

「僕もブサイク達と仲良くなりたいのに!どうしてイケメンに生まれてきてしまったんだ!」

と、母親に八つ当たりする夜もあった。

 

僕は次第に、怯えながら暮らすのはダサいと思うようになった。そして二十歳のころ、イケメン達が安心して集える場所を作ろうと決意した。

けれど、優しい夢ほど残酷なものはない。家族から猛反対されたのだ。

僕の家族はみんなブサイクだったので、ブサイクな考え方を持っていた。

「お前は整形して皆と同じようにブサイクになるべきだ!老後までブサイクとして頑張ったら、毎日おっぱいが揉める生活が待っていると言うのに!!」

と言う父をみて、僕は決意が揺らいだ。

「子供の時から親の脛をかじり、おっぱいを揉み続けていた僕が、本当におっぱいを揉まなくても息をすることができるだろうか。」

家族の説得の末、僕は安定のおっぱいをとった。

数年後、イケメンが集う街が出来た。僕よりも劣ったイケメンが、人生のおっぱいを投げ打って、イケメンが集う街を作ったらしい。そこにはイケメンがたくさんいて、とても楽しく幸せに暮らしていると聞いた。

ブサイクになった僕は「あいつは全然イケメンじゃない。」 とネット上の掲示板に書き込むことしか、出来なかった。

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