エッセイ

君の冗談が聞きたかったんだ

ヒエラルキーがあって、ヒエラルキーを外れた中にもヒエラルキーがあって、その中にも上と下がある。

その外れにある小さなサブカルという町に、私たちは住んでいた

ご用達雑誌Popeyeを読みながら、「ファッションサブカルめ」と彼は言う。

「去年サブカル女と付き合ってたんだけど、3週間付き合って、うち2週間音信不通だったんだよね」

社会の様に黒い瞳を光らせて彼は言う。

無視を続ける私に、キラキラした別の本を見せつけるように、まえに出す

「ブライダル誌買ってく?」
「結婚したくない」

「結婚指輪ってコスパ悪いよね」
「そうかもね」

「輪ゴムでもいい?」
「輪ゴム…?」

「じゃあpopeyeで」

そう言ってpopeyeを再び手に取る
「いやぁ、人ンチの猫が1番コスパいいよな」

そう言ってマッシュルームヘアはレジへと消えて行った。

レジから帰ってきた彼が手に持っている本には「徹底解説!絶対に住みたくない東京の町ランキングベスト100 」と書かれている。

「おれ足立区に住みてえ」

そう言ってランキング1位の地域を指差す。私はその物騒さをよく知っていた

「その公園、昼は子どもたちが楽しくサッカーしてるのに、夜は誰かがセックスしてたりするんだよ」

「そうかぁ、春だもんなぁ」

「じゃあ花見でも行こうか」

私たちは本屋を出てオムレツを食べに行った

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